最近、社内の「抽象要件の定義と具現化」という勉強会で、「あえてコアとなるブランド価値を語らないサイト」に関してディスカッションしました。
我々は基本的に、戦略立案→スコープ定義→IA設計→デザイン開発→オーサリング+システム開発という流れでプロジェクトを進めてきているのですが、このプロセスだと機能要件は精緻に積み上がるものの、一種大きなジャンプが生まれにくい。よって、社内ではこの基本的なプロセスに対し、"Type B"と言われるプロセスがあり、そこでは「抽象要件」なるものがクローズアップされ定義、具体化されます。「機能←→情緒」「抽象←→具体」という言葉の話しをするとねじれているのですが、要は体験や印象により重きを置いていくアウトプットを出すためのプロセスで、この「抽象要件の定義と具現化」という勉強会はメンバーがType B視点で既存のケースを分析、ディスカッションするものです。
「あえてコアとなるブランド価値を語らないサイト」の内容を少し補足します。目的を達成するために、限られたウェブサイトでの体験をどうするのが最もふさわしいのかを考えると、あえて「ブランドを取り巻く抽象的な連想の集まり=コアとなるブランド価値(ケビン・レーン・ケラー)」をエッセンスとしてもあまり表現しないサイトといった話しです。
概念としては「まぁ、あるよね」ですが、参加者でブランド・マントラを仮に設定しながら、歴史的経緯や競争環境の変化を踏まえ、どういうリテンションや態度変容につなげていくために、こうした表現や体験にしているのか、という話し合いはなかなか面白いものでした。中途半端にしかブランドの認知の幅と深さがないものでは全く別のブランド・ポジショニングに見えかねないわけですが、顧客との間に強いロイヤルティの関係があるブランドが、このタッチポイントの目的、役割と期間を意識しつつ、体験も表現も異なるエッセンスを感じさせるのは興味深いチャレンジですね。

